- 海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』は世界各国で社会現象になるほど人気。
- それを聞いて観てみたけど、全然話がみえてこないよ。ちょっと難しくない?
その気持ち、めっちゃ分かります。
登場人物や情報量の多さに戸惑い、わたしも最初のころは「これ言うほどおもしろいか?」と思っていました...
でもね、断言しちゃうけど『ゲーム・オブ・スローンズ』を超えるテレビシリーズはあなたが生きているうちに出てきませんよ。それほど、ドハマりしてしまう名作なので。
そこで当ブログでは『ゲーム・オブ・スローンズ』をあなたにもっと好きになってもらうため、暇さえあれば『ゲーム・オブ・スローンズ』について考えている私が
- 全シーズン全エピソードの
- 解説、あらすじ、感想を
- 5分~10分程度で読める感じで
まとめてお届けします。
なおネタバレありなので、各エピソードを一度観たうえで、振り返りとして当ブログを確認いただければと思います。(リンクがはってあるキーワードをクリックすると詳細を確認できるが、これもネタバレにつながる可能性あり)
また、この『ゲーム・オブ・スローンズ』解説のポイントは下記の3つ。
ポイント
- 最初はザックリとした説明、シーズンが進むにつれギアをあげてディテールを追う
- ドラマを楽しみつつ英語の勉強にもできるように英単語や文章(セリフ)を解説する(英語音声、日本語字幕をおすすめします)
- 原作『氷と炎の歌』ではなく、テレビシリーズの内容に沿る(ごくたまに原作では○○を入れていく)
といことで、今回は…
シーズン1:七王国戦記
- エピソード1:冬来たる(Winter Is Coming)←今回はこれ
- エピソード2:王の道(The Kingsroad)
- エピソード3:冥夜の守人(Lord Snow)
- エピソード4:壊れたものたち(Cripples, Bastards, and Broken Things)
- エピソード5:狼と獅子(The Wolf and the Lion)
- エピソード6:黄金の冠(A Golden Crown)
- エピソード7:勝つか死ぬか(You Win or You Die)
- エピソード8:進軍(The Pointy End)
- エピソード9:ベイラー大聖堂(Baelor)
- エピソード10:炎と血(Fire and Blood)
最初の方だけ説明しなければならない前提条件が多いため、解説がかなり長くなっています。シーズンが進むにつれ、解説と感想のバランスを整えて5~10分程度で読める感じでまとめています。
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※紹介している作品は2022年10月1日時点の情報です。最新の配信状況はAmazon、U-NEXTの公式ホームページにてご確認ください。
もくじ|読みたいところにジャンプ
- 1 すぐにわかる「冬来たる」のあらすじ
- 2 【ほぼ時系列順】よくわかる「冬来たる」の解説
- 3 「冬来たる」の感想
すぐにわかる「冬来たる」のあらすじ
- 壁の向こう側で数千年前に滅んだと思われる“ホワイト・ウォーカー”がみつかる(?)
- “王の手”(ハンド・オブ・ザ・キング=Hand of the King)が亡くなり、後任としてエダード・“ネッド”・スタークを指名するために王がウィンターフェルを訪れる
- “鉄の玉座”の奪還を目論むヴィセーリス・ターガリエンは、軍を手に入れるために、妹のデナーリスを騎馬民族ドスラク人の王に嫁がせる
【ほぼ時系列順】よくわかる「冬来たる」の解説
ホワイト・ウォーカーの出現?
冒頭は「コールドオープン(cold open)」というスタイルで始まります。
英語の勉強
「コールドオープン(cold open)」とは、ストーリーが展開された後にオープニングクレジットに入る製作技法
コールドオープンは1シーズンに1度しかないので、次のエピソードより通常のオープニングクレジット⇒ストーリーになります。なんでこんなことをわざわざ説明しているかは、エピソード2「王の道」で掘り下げていこう。
さて、本題に戻りましょう。冒頭では氷で覆われた壁の扉が開き、“ナイツ・ウォッチ”(冥夜の守人=Night's Watch)と呼ばれる男3人がノコノコと散歩に出かけていく。
と思いきや、実はこれ散歩ではなく、パトロールというちゃんとしたお仕事なんです。なぜ、パトロールしてるかを簡単にいうと“壁”の南側に侵入してくる“野人”を取り締まるため。
そこでパトロール中の“ナイツ・ウォッチ”に所属している“レンジャー”(哨士=ranger)のひとり、ウィルは不気味な形に並べられた死体を発見する。すぐに仲間に報告し、死体現場をまた確認しにいくが背後から人型の化け物に攻撃されてしまう。ウィルは処刑される直前まで「ホワイト・ウォーカー(White Walkers)をみた」と言い続けた。
コールドオープンはこのような形で終わり、オープニングクレジットに入ります。
ココがポイント
“野人”が“壁”の南側に侵入してくるのを防ぐため、“ナイツ・ウォッチ”が取り締まりを行っている。
ココがポイント
ホワイト・ウォーカー(White Walkers)とは数千年前にいた(?)とされる都市伝説てきな生物
「壁」ってなに?ゲーム・オブ・スローンズの地図をかるく説明しないとですね
いきなり「壁の南側」とか言われても分からないですよね…
これから『ゲーム・オブ・スローンズ』をみるにあたって、下記の地理的関係をザックリと頭のなかに入れておきましょう。地理が分かれば話がスムーズになるかと思います。(徐じょに慣れるので、今はザックリでいいかと)
今回のエピソード1「冬来たる」に登場する舞台は
- ウェスタロス(Westeros)大陸の一番北にある“壁”(ウォール=Wall)とその北側
- その南にあるウィンターフェル城(Winterfell)とその付近
- さらにその南にある王都キングズ・ランディング(King's Landing)
- “ナロー・シー ”(狭い海=Narrow Sea)を渡った東の大陸エッソス(Essos)の都市ペントス(Pentos)
登場はしないが、名前が出てくるのは
- ウェスタロス大陸の東に位置するアイリー(高巣城=Eyrie)
そして冒頭で出てきた“壁”の付近をもう少し拡大した地図が下記。
Castle Black(キャッスル・ブラック = 黒の城)と書かれたところの上の黒線すべてが“壁”。この“壁”はカタい氷に覆われ、全長は300マイル(約480㎞)高さは700フィート(約210m)もある。
この“壁”はおよそ8000年前に存在した(?)ホワイト・ウォーカーから身を守るために建設されたと言われているが、いろいろと諸説あり。『ゲーム・オブ・スローンズ』の物語がはじまる頃になると、「そもそもホワイト・ウォーカーなんていなかった」と生存自体を否定している人がほとんどなので...
まあ建設理由は一旦おいといて、今となっては“壁”はホワイト・ウォーカーから身を守るためではなく“壁”の北側で生活する“野人”が南側の“七王国”に侵入してこないために利用されている。七王国の人は“野人”を人間扱いしていない。
そしてこの巨大な“壁”を管理しているのは“ナイツ・ウォッチ”(冥夜の守人=Night's Watch)と呼ばれる保安官てきな立場の七王国の人たち。(詳しいことは次エピソード以降で説明する)
ココがポイント
- 西側の大陸「ウェスタロス(Westeros)」は「West=西」に位置する
- 東側の大陸「エッソス(Essos)」は「East=東」に位置する
ココがポイント
“壁”はもともと“ホワイト・ウォーカー”から身を守るために建設された(?)
ただ、それは大昔のことで、今は“野人”たちの侵入を防ぐために“ナイツ・ウォッチ”(冥夜の守人=Night's Watch)が“壁”を守っている。
地図のチェック
北部を治めるスターク家とウィンターフェル城
さて、地理をかるく紹介したのでストーリーに戻ります。“壁”の次に登場する場所はウィンターフェル城(Winterfell)。ここは北部を治めるスターク家が所有する巨大なお城。
いや、正確にはスターク家が所有するお城ではなく、北部の領主が所有するお城。
ただ、スターク家は何世紀にわたって北部の領主となっているので、今も昔も、北部の領主=ウィンターフェル城主=スターク家の関係が続いている。
そのスターク家の家族構成をこれから説明しよう。
※登場人物の説明をすると最初は「ややこしい」と思いますが、徐じょに慣れます。保証します。
エダード・“ネッド”・スターク(演:ショーン・ビーン)
- ウィンターフェル城主
- 北部総督(北部で一番偉いひと)
- 愛称はネッド
- 5人の子ども+1人の“落とし子”の父親
- 妻はキャトリン
- 性格は優等生タイプ、誇り高く公正
ウィンターフェルの城主エダードは北部全体の総督(領主)。“壁”も北部の管轄内。“ナイツ・ウォッチ”の任務を放棄して脱走したウィルを処刑するのも、北部総督の仕事のひとつ。
ココがポイント
ウィルを処刑するときにつかう“ヴァリリア鋼”の“アイス”はスターク家伝統の大剣。“ヴァリリア鋼”の説明は次エピソード以降で説明します。
ちなみに「エダード(Eddard)」と呼ばれる場合もあれば「ネッド(Ned)」と呼ばれる場合もあるけど、ようは同じです。
英語は不思議なもので「リチャード(Richard)=ディック(Dick)」でもあるし、「ロバート(Robert)= ボブ(Bob)」という別の呼び方がある。(日本語でいう「山崎=ザキヤマ」みたいなもん。いやちょっと違うか💦)
そして劇中では本名のエダードよりも略したネッドの方がよく使われるので、当ブログではこれよりネッドで統一します。
キャトリン・スターク(演:ミシェル・フェアリー)
- ネッドの妻
- 出身は北部ではなく、ちょい南のリヴァーランド
- リヴァーランドを治めているホスター・タリーの娘
- 性格は頑固、信念を曲げないタイプ
ベンジェン・スターク(演:ジョゼフ・マウル)
- ネッドの弟
- つまり、キャトリンの義弟、ロブをはじめとした子どもたちの叔父にあたる
- “ナイツ・ウォッチ”(冥夜の守人)の一員
ちょっと補足をしよう。
すべてではないが、この物語にでてくるほとんどの地域と家系は「長男相続」が伝統となっている。スターク家も同様で、兄ネッドの弟として生まれたベンジェンは基本的にはウィンターフェルの城主になることはできない。(ネッドが子どもを授からないまま亡くなったり、権利を放棄しない限り)
そういう背景もあり、ベンジェンは自ら志願して“壁”を守る“ナイツ・ウォッチ”(冥夜の守人)に加わった。ちなみに“ナイツ・ウォッチ”という組織は
- 死ぬまで一生脱退できない
- 結婚できない、家族を持てない
- 有休はおろか、夏休みなんてもってのほか
という超ブラック企業なのだ。(ただ、名誉はある…)
ベンジェン(ナイツ・ウォッチ)が“壁”を離れてウィンターフェル城に一時外出できたのは、かなり特別なケースと考えていいです。王様がお越しになるとかそういう一大イベントがない限り、基本はずっと“壁”を守り続けないといけないのです。
ロブ・スターク(演:リチャード・マッデン)
- スターク家の長男
- つまり、父親ネッドが亡くなった場合にウィンターフェルを継ぐ者
- 血がつながっていないシオン・グレイジョイを兄弟同然として接している
- 性格は父親と似て誠実
サンサ・スターク(演:ソフィー・ターナー)
- スターク家の長女
- 性格は“良い意味”で母親キャトリンと似ている
アリア・スターク(演:メイジー・ウィリアムズ)
- スターク家の次女
- 性格は“良い意味”で母親キャトリンと似ていない
ブラン・スターク(演:アイザック・ヘンプステッド=ライト)
- スターク家の次男
- 長男ではないため、ウィンターフェルの城主になることはできない(基本的には)
- そのため“キングズガード”(王の盾=Kingsguard)になるのが夢
- 活発で壁登りが得意
ココがポイント
“キングズガード”はジェイミー・ラニスターの紹介で追って説明します。
リコン・スターク(演:アート・パーキンソン)
- スターク家の三男
- まだ子供なので、ものごとがよく分かっていない
ジョン・スノウ(演:キット・ハリントン)
- ネッドの落とし子(バスタード=bastard)
- 落とし子とは、身分が高いひとが正妻ではない女性に生ませた子ども
- つまり、ネッドの非嫡出子であり「正統」な子どもではない
- 性格はマジメで自分の立場をわきまえてる
ここもちょっと補足をしよう。
ジョンはスターク家(北部でもっとも権力のある)の子どもたちと一緒につるんでいるが、よく観察すると「正統」ではない感がたくさんある。
- ブランが弓の練習をしているシーンでは、母キャトリンに睨まれる(キャットの目つき怖いよ…)
- ダイアウルフを発見するシーンではお父さんのネッドを「father」ではなく「スターク様(Lord Stark)」と呼ぶ
- 同シーンで「俺はスタークではない(I'm not a stark)」と自分の名字を否定する(この名言はこれからもよく出てきます)
あと、名字「スノウ」は北部の落とし子の名前で…(ちょっと長くなってしまうので、別の機会で説明します)
ところでコイツは誰? スターク家の子供ではないの?
シオン・グレイジョイ(演:アルフィー・アレン)
- アイアン・アイランド(鉄諸島=Iron Islands)の名家グレイジョイ家の息子
- ロブ・スタークは親友
- 女遊びが好きで、射手が得意
コイツは、スターク家ではない。
また、ジョンの様に落とし子でもない。
アイアン・アイランドは、ウェスタロスの地図でいう北西に位置する島々。(ラニスター家の本拠地の北西)
なぜ名家出身のシオンが、ウィンターフェルにいるのかを簡単に説明しよう。
- グレイジョイ家が反乱を起こす(通称:グレイジョイの反乱 = Greyjoy's Rebellion)
- 反乱失敗、さらにはシオンの兄たちが殺される
- 反乱後、王の命令により、生き残ったシオンがネッド・スタークの被後見人となる(表向きは)
- 表向きは被後見人だが、事実上は人質(唯一生き残った息子をウィンターフェルに預ければ、グレイジョイ家が再び反乱を起こすことはないだろうという意図)
- ネッドは被後見人(人質)なんて欲しがっていない
- でも王に反発できないので、仕方くなくシオンをウィンターフェルに受け入れる
- ネッド(及び側近)はシオンを人質としてではなく公正に扱う
- 武術も教え、スターク家の子どもたちと一緒につるませる
シオンは「人質」というポジションなのだが、誠実なネッドにより公正な扱いをうけて育つことになる。また、長男ロブとは歳が近いこともあり、マブダチみたいな関係。
しかしこのシオン、ちょっとウザイ...
目上のスターク家にはゴマをすり、自分より立場の低い(と思ってる)人間をバカにして見下すタイプ。
たとえば、アルビノのダイアウルフをみつけたシオンは、「出来損ないだ。 おまえと一緒だな、スノウ(ジョン)」と言う。このセリフからわかるように、落とし子ジョン・スノウを自分より下の人間として扱っている。
ところで「ダイアウルフ」ってなに? 名家の紋章?
本来は“壁”の向こう側(北側)に生息するダイアウルフは狼の一種。
珍しく“壁”の南側で発見された親ダイアウルフは亡くっていたが、5+1匹の子を残していた。
- 5 = スターク家の正統な子のロブ、サンサ、アリア、ブラン、リコン
- 1 = 落とし子のジョン・スノウ
の数にたまたま一致し、スターク家の子どもたちはそれぞれ1匹飼うことになる。
そしてこのダイアウルフを発見するシーンでは、ジョンが大事なキーワードを言う。
「ダイアウルフはスターク家の紋章(sigil)です」
名家はそれぞれ紋章をもっている。たとえばエピソード1に出てくる
- スターク家の紋章はダイアウルフ
- バラシオン家の紋章は牡鹿
- ラニスター家の紋章は黄金の獅子
- ターガリエン家の紋章は三頭のドラゴン
- グレイジョイ家の紋章はクラーケン(海の巨大生物)
よく観察すると、グレイジョイ家であるシオンの服装にはクラーケンの紋章が入っていることがわかる。
このような、細かい衣装デザインも『ゲーム・オブ・スローンズ』の魅力の一つです。
紋章と同じように、名家には標語がある
それぞれの名家には「紋章」と同じように標語(words)というものが設けられている。たとえば
- スターク家の標語は「冬来たる(Winter Is Coming)」
- ラニスター家の標語は「聞け、わが咆哮を!(Hear Me Roar!)」
- ターガリエン家の標語は「炎と血(Fire and Blood)」
お気づきかもしれないがエピソード1のタイトル「冬来たる(Winter Is Coming)」はまさにスターク家の標語そのもの。
ちなみに、別エピソードでブランが標語を勉強するシーンがあり、ストーリーが進むにつれて少しづつ覚えるようになれます。
“王の手”(ハンド・オブ・ザ・キング)ってなに?
エピソード1「冬来たる」では2分程度、王都キングズ・ランディング(King's Landing)が登場する。そのシーンでは熱病で亡くなった“王の手”(ハンド・オブ・ザ・キング=Hand of the King)のジョン・アリンの葬儀を行っている。そこでこのような疑問が思い浮かぶでしょう。
- ジョン・アリンって誰?
- てか“王の手”(ハンド・オブ・ザ・キング)ってなに?
ジョン・アリンはウェスタロス大陸東側のアリンの谷間の領主で、ロバート王の“王の手”(ハンド・オブ・ザ・キング=Hand of the King)を務めていた。ちなみにこのエピソードではアリンの谷間の本拠地のアイリー(高巣城=Eyrie)の名前のみが出てくる。(登場はしない)
キャトリンがネッドに訃報を伝えるとき「あなたにとって父親同然でしたね」と言うが、実際ジョン・アリンはネッドとロバート・バラシオンの里親だった。(まあ、そこらへんの詳しい説明は後々でてきます)
そしてもう一つの「なに“王の手”(ハンド・オブ・ザ・キング)って?」問題。
“王の手”(ハンド・オブ・ザ・キング=Hand of the King)とは七王国のなかでももっとも強力な役職で、権威は王に継ぐ。エピソード3「冥夜の守人」からでてくる“スモール・カウンセル”(小評議会=Small Council)と言われる会議などでは、王が不在のときは最も権力がある。
(厳密には違うが)簡単にいうと「王 = 大統領、王の手 = 副大統領」みたいなイメージ。
まぁとにかく、七王国におけるすごい偉いポジションの“王の手”が熱病で亡くなってしまった。その後任としてネッドを指名するために王がウィンターフェルを訪れる。
ザックリにはこういう感じでロバート王が北部にやってきて、物語がはじまるのだ。
ロバート王がウィンターフェルにお越しになられた! バラシオン家の登場だ!
ということで、大変名誉のある役職“王の手”を任命するためにウィンターフェルへわざわざ訪れたロバート王。ロバートはバラシオン家という名家を継いでいる。
バラシオン家は大昔から伝統が残る偉大な名家だが、最高権力者(王族)となったのはここ最近のこと。約15年前、「ロバートの反乱」と呼ばれる戦争で当時の君主だったターガリエン家を滅ぼしたばかり。(ロバートの反乱の説明はものすごく長くなってしまうので、別の記事でまとめます)
紋章は牡鹿、本拠地はストームズエンド。標語は「氏神は復讐の女神(Ours is the Fury)」。
ロバート・バラシオン(演:マーク・アディ)
- 七王国の王様
- 「ロバートの反乱」でターガリエン王朝を倒した伝説の戦士
- いまでは酒と女に溺れ、すっかり太ってしまった
- 王政を任せてた“王の手”(ハンド・オブ・ザ・キング=Hand of the King)を亡くしたばかり
ロバート王とネッドは旧友。共にアリン家の本拠地のアイリー(高巣城=Eyrie)で育ち、共に「ロバートの反乱」で戦うのがネッドだったりもする。だからネッドとは「おう、久しぶり!」てきな感じなのだ。
ロバートには兄弟がいるが、このエピソード「冬来たる」には登場しない。
サーセイ・バラシオン(旧姓:ラニスター)(演:レナ・ヘディ)
- ロバート王の妻、つまり王妃
- ラニスター家の長女
- 兄弟は双子の弟ジェイミー、弟のティリオン
- 性格は貪欲、負けず嫌い
ジョフリー・バラシオン(演:ジャック・グリーソン)
- ロバート王とサーセイ王妃の間の長男(嫡男)
- つまり、王子様であり次の王様でもある
- ロバート王は、ジョフリーとスターク家の長女サンサの政略結婚を望んでいる
ウィンターフェル到着まもなく、ロバート王が訪れる地下墓とは?
入城の挨拶を終えた直後、ロバート王とネッドが真っ先に向かったのはウィンターフェル城の地下墓。ここはスターク家の先祖が葬らている神聖な場所。
ロバート王は女性の彫像にむかって「俺と生きるはずが…」と思わず涙をこぼすシーンは、ネッドの妹リアナに対しての言葉。彼女はロバートの婚約者だったが、当時の王子レイガー・ターガリエンに誘拐され、後に殺されてしまう。
そもそも「ロバートの反乱」はリアナの誘拐事件がきっかけでもある。(いやだから、ロバートの反乱の説明はものすごく長くなってしまうから別の記事でまとめるって!)
婚約者だったリアナを亡くし、ロバートが代わり(悪い言い方だけど)に結婚したのがサーセイ・ラニスター。
英語の勉強
crypt = 地下墓
七王国でもっとも権力があるのはラニスター家?
七王国の最高権力者はもちろん、王であるロバート・バラシオン。かと言い、バラシオン家がトップに君臨しているわけではない(?)
裏では、ラニスター家のほうが立場が上という意見もあったりする。というのも、ラニスター家は七王国でもっとも「金」がある貴族で「金」で何かと解決できちゃうからだ。(しかも髪の色も金髪というおまけ付き)
ラニスター家はウェスタロス大陸西部の領主で、本拠地はキャスタリーロック(Casterly Rock)。紋章は黄金の獅子。
ジェイミー・ラニスター(演:ニコライ・コスター=ワルドー)
- ラニスター家の長男
- サーセイの双子の弟、ティリオンの兄
- イケメンで金持ち、つまりめちゃくちゃモテる
- かなりの楽観主義者
- “キングズガード”(王の盾=Kingsguard)の一員
ジェイミーの父親のタイウィン・ラニスターは、西部を治めてるキャスタリーロックの城主。(エピソード1は登場しない)
そしてジェイミーはラニスター家の長男にあたるので、本来であれば次期キャスタリーロックの城主。
しかし、ジェイミーは“キングズガード”(王の盾=Kingsguard)に所属しているため、あらゆる相続権を放棄しなければならず、キャスタリーロックの城主にはなれない。
“キングズガード”は王族を守るエリート騎士集団で、“ナイツ・ウォッチ”と同じく一生を捧げ、家族や領地を持つことは出来ない。
ティリオン・ラニスター(演:ピーター・ディンクレイジ)
- ラニスター家の次男(第3子)
- サーセイ、ジェイミーの弟
- あだ名は小鬼(インプ = Imp)
- 背は小さいが、知性は高い
背が伸びなかったティリオンは周りからドワーフ呼ばわりされ、自分でも自虐ネタとして使っている。
英語の勉強
dwarf = 小人
ティリオンの特徴といえばやはり「口の上手さ」だ。一つひとつのセリフがまるで詩のようで、めちゃくちゃカッコイイ。たとえばこのエピソードでは、宴会場の外にいるジョン・スノウとの会話からこのような名言が飛び出る。
Jon Snow : What the hell do you know about being a bastard?
ジョン・スノウ:「おまえなんかに落とし子の気持ちが分からないだろうな」
Tyrion : All dwarfs are bastards in their father's eyes.
ティリオン:「小人はみんな、父親の目から見れば落とし子なのさ」
まぁとにかく、鬼のように(小鬼だけに)かっこいいセリフを連発するのです。
東の大陸エッソスにいるターガリエン家とその周り
ウェスタロス大陸から“ナロー・シー ”(狭い海=Narrow Sea)を渡った東の大陸エッソスにはかつて王朝を築いたターガリエン家の子供たちが拠点を置いている。
ターガリエン家はウェスタロス大陸の七王国を約300年ほど統治していたが「ロバートの反乱」で玉座を奪われた。
生き残ったターガリエン家の次男ヴィセーリスと長女デナーリスは逃げるようにエッソスの自由都市ペントス(Pentos)に移る。反乱には負けてしまったが、ペントスでかくまっているイリリオ(髭を結んでいる人)などサポーターはまだ多い。
特徴はラニスター家に似た金髪(原作では銀髪)で「ドラゴンの血を引く」と言われている。
また、紋章の三頭のドラゴンのように「3つで1セット」が多い。(例:3兄弟の ①長男レイガー ②次男ヴィセーリス ③長女デナーリス)
ヴィセーリス・ターガリエン(演:ハリー・ロイド)
- ターガリエン家の次男
- デナーリスの兄
- まだ幼いころ、「ロバートの反乱」で父親エイリス(当時の王)とその長男レイガー(ヴィセーリスの兄)が殺されてしまう
- 玉座奪還を目論み、軍と引き換えに妹デナーリスを騎馬民族ドスラク人の王に嫁がせる
デナーリス・ターガリエン(演:エミリア・クラーク)
- ターガリエン家の長女
- ヴィセーリスの妹
- 兄ヴィセーリスの目標のために、会話もまともに出来ないドスラク人の王カール・ドロゴと結婚させられる
カール・ドロゴ(演:ジェイソン・モモア)
- ドスラク人の王
- イリリオの仲介でデナーリス・ターガリエンと結婚する
- めちゃくちゃ強い
ココがポイント
ドスラク人は闘いに負けると、見せしめとして髪が切られる。カール・ドロゴの髪が長いのは、負け知らずという証明でもある。
ジョラー・モーモント(演:イアン・グレン)
- ウェスタロス大陸北部の名家、モーモント家の長男
- デナーリス・ターガリエンに忠誠を誓う
この男、訳アリだ。
というのも、エッソスにいる(どちらかというウェスタロスにいれない)理由は明確で、次エピソード「王の道」で説明される。
「冬来たる」の感想
ふぅ~。ようやく長い長い解説が終わりました。
今回は初回なので「前提条件」となる大枠の説明をモリモリにしましたが、少しづつ解説と感想のバランスを整えたいと思います。ということで、エピソード1「冬来たる」の感想は短めでお届けします。
よくわからん。ムズイ。
が初めてみたときの感想です。
まぁでもそれはそうですよね。説明とか全然ないし、いきなり情報量が多すぎる。
- でっかい氷の壁からはじまり
- 急に変な化け物がでてきて
- スターク家の子どもっぽいヤツが「俺はスタークではない」と言うくせして
- スターク家の子供たち同様にペットを飼い始める
- そしたら変な葬儀がはじまり
- 王とか偉そうな金髪集団がウィンターフェルっていうお城にやってくる
- と思いきや、どうやら違う場所でも別の金髪集団がいて
- 急展開で美女と野獣が結婚し、たぶん重要っぽい「ドラゴンの卵」をもらっちゃう
- んでもって、兄弟同士でFUCKしてるところが見つかってしまう
これを解説なしで理解するなんて不可能だ。
『ゲーム・オブ・スローンズ』は最初こそ、設定の難しさに戸惑うかもしれない。なかでもネックとなるのは、やはり登場人物の多さではないでしょうか。
長くなってしまった第1話の解説、これでも登場人物を全然説明しきれていない。
たとえば、メイスター・ルーウィンとかロドリック・カッセルとかサンダー・クレゲインはセリフまであったのに、ちょっと省いてしまった。他にも、ミアセラ・バラシオン、トメン・バラシオン、ホーダーに…(次回以降で…)
あ、今回は「0」ホーダーでしたね。
↑
そのうち、意味がわかるかと…
とにかく最初からすべてを飲み込むのは無理ゲーな話だけど、
- 壁の向こう側でどうやらヤバそう事件が起きた
- アリアとサンサは姉妹だけど性格が全然違う
- ウィンターフェルの城主ネッドが重要な仕事を任された
- 小人のヤツが面白そうだ
- ダイアウルフ可愛い
- ブランは見ちゃいけないものを見てしまい、いろいろとマズイ状況になった
こういうアバウトな感じでも十分楽しめるし、後からいろいろと繋がります。
あとね、最後にこれだけ言わせて。
ジョラー・モーモントさん。結婚祝いとしてデナーリスに捧げるプレゼントの順番、イリリオの前でよかったね。
イリリオの「3つのドラゴンの卵」の後に、君がプレゼントとして用意した「七王国の歴史と歌の本」だったら、ガッカリ感ハンパないよ。(ドラゴンの卵のあとに本って、おい)
「冬来たる」の名言
All dwarfs are bastards in their father's eyes.
小人はみんな 父親の目から見れば落とし子なのさ
byティリオン・ラニスター
>>つぎは「エピソード2:王の道(The Kingsroad)」
>>「ゲーム・オブ・スローンズ」各エピソードのまとめページへ行く
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