この記事では海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の解説・あらすじ・感想を書いております。今回は
- シーズン1:七王国戦記
- エピソード6:黄金の冠
をネタバレありで紹介しますので、エピソードを一度観たうえで振り返りとして当ブログを確認いただければと思います。
シーズン1:七王国戦記
- エピソード1:冬来たる(Winter Is Coming)
- エピソード2:王の道(The Kingsroad)
- エピソード3:冥夜の守人(Lord Snow)
- エピソード4:壊れたものたち(Cripples, Bastards, and Broken Things)
- エピソード5:狼と獅子(The Wolf and the Lion)
- エピソード6:黄金の冠(A Golden Crown)←今回はこれ
- エピソード7:勝つか死ぬか(You Win or You Die)
- エピソード8:進軍(The Pointy End)
- エピソード9:ベイラー大聖堂(Baelor)
- エピソード10:炎と血(Fire and Blood)
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すぐにわかる「黄金の冠」のあらすじ
前回のおさらい(エピソード5:「狼と獅子」)
- ネッドは、前“王の手”が毒殺された可能性を知る
- ティリオンを捕虜としたキャトリンは、妹ライサが住むアイリー(高巣城)に着く
- 懐妊したデナーリスを殺害する計画に賛同できないネッドは“王の手”を辞任する
- 弟ティリオンが捕まったと知ったジェイミーは、ネッドに決闘を挑む
今回のあらすじ
- ジェイミーとの闘いから回復したネッドは“王の手”に復職する
- 決闘裁判に勝利したティリオンは自由の身となる
- “黄金の冠”を被ったヴィセーリスは殺される
【ほぼ時系列順】よくわかる「黄金の冠」の解説
ロバート王にとってネッドは「なくてはならない存在」
ジェイミーとの決闘で負傷したネッドはロバート王のもとで看病されていました。そして前エピソード「狼と獅子」で放棄した“王の手”のバッジを突き返されます。
ロバート王にとって、ネッドはなくてはならない存在。実の兄弟(レンリーやこれから登場するスタニス)よりも信頼できるネッドに“王の手”になってもらわないと困るのです。(他に信用できる人がいない)
そして「キャトリンは俺の命令に従い、ティリオンを捕虜にした」とネッドは嘘をつきます。キャトリンが勝手に暴走しただけなのに。
ネッドは「ウソをつかないとキャトリンの立場がマズイ」ことを理解しているのでしょう。“王の手”かつロバートの親友であるネッドの指示ならギリギリ許される行為。キャトリンの単独行動だったら、許されない。
デナーリスは“熱”を感じない
燃える石炭のうえに飾られた三つのドラゴンエッグ。デナーリスは一つの卵を両手ですくうが、全く熱を感じていない。一方で、侍女のイリは両手にヤケドをおってしまう。
エピソード1「冬来たる」でも熱湯風呂に入るデナーリスは熱さを感じてないようだった。
ヴィセーリスが熱々の“黄金の冠”を被って死んだときのデナーリスのセリフは…
He was no dragon. Fire cannot kill a dragon.
彼はドラゴンではない。ドラゴンは火で殺せない。
ドラゴンは火で殺せない。
“三つ目の鴉”はブランを地下墓へ導く
“三つ目の鴉”(スリー・アイド・レイヴン=Three-Eyed Raven)が再びブランの夢の中で現れました。今度は案内するかのように、ブランをウィンターフェル城の地下墓へと導きます。“三つ目の鴉”はブランに何を伝えようとしているのでしょうか?
ココがポイント
ウィンターフェル城の地下墓はエピソード1「冬来たる」に登場した、スターク家の先祖が葬らている場所。
“壁”の北側の“野人”オシャ(演:ナタリア・テナ)との出会い
ティリオンから入手した設計図のおかげで、馬に乗れるようになったブランは“野人”(ワイルドリング=Wildlings)に捕まってしまいます。
“野人”は“壁”の北側に住んでいる人たち。“野人”は南側に住むことは許されておらず、彼らが壁を超えないようにするのが“ナイツ・ウォッチ”の役割。
ロブとシオンは男性“野人”を殺し、女性“野人”のオシャを生かしておきます。
ココがポイント
このシーンの「マンス・レイダーに知らせる」とか「ドーンに行きたい」というキーワードは、今後もストーリーに関わってきます。
『ゲーム・オブ・スローンズ』に登場する様々な宗教
落ち込んでいるアリアに、剣の師匠シリオはこう言います。
シリオ:「神々にお祈りを?」(Do you pray to the gods?)
アリア:「古今の神々」(The old and the new.)
シリオ:「この世の神は一つ。その名は“死神”」(There is only one god, and His name is Death.)
『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界には様々な宗教(神)があり、これからちょくちょく宗教名が出てきます。ということで、大枠の概要を軽く説明しましょう。
ウェスタロス大陸の
- 古神(old)
- 今神(new)
は異なる神(宗教)。
「古今の神々(The old and the new.)」の方は、ウェスタロス最大の宗教“七神正教”(フェイス・オブ・ザ・セブン=Faith of the Seven)。これは、北部以外(基本的には)で崇拝されている。キングズ・ランディングの至るところに“七神正教”のシンボルがあります。
「古今の神々(The old and the new.)」の方は北部で崇拝されている宗教。かつてはウェスタロスの主要宗教だっとこともある。(もうちょっと踏み込んだ詳細はストーリーが続くにつれて説明します)
一方で、師匠シリオはエッソス大陸の自由都市ブレーヴォス出身。シリオが崇拝する“死神”はブレーヴォスの宗教のひとつ。
他にも“光の王”(ロード・オブ・ライト=Lord of Light)や“溺神”(ドラウンド・ゴッド=Drowned God)など、これからもいろんな宗教がでてきます。これに関しては追って説明します。
決闘裁判とブロン(演:ジェローム・フリン)
解放の見込みがないと踏んだティリオンは、アイリー(高巣城=Eyrie)のライサ・アリンに“決闘裁判”を要求する。
法廷では容疑者から“決闘裁判”に挑むチャンスが残されており、自分もしくは代闘士をたてて決闘を申し込むことができる。
もし容疑者側が勝利すれば“無罪”となり自由の身となる。しかし、容疑者側が敗北すると“有罪”となり処刑される。
英語の勉強
champion = 代闘士
ティリオンは自分の兄ジェイミーを代闘士に指名するが、「決闘裁判は本日中に行う」という理由でライサに拒否されてしまう。そこでブロンという傭兵が代わりに闘うことになる。
ブロンは、キャトリンとティリオンが居合わせた宿場から登場しています。(ティリオンに部屋を譲り、銀貨をもらった人)紹介が遅れました…
ワイン大好きロバート王
気分転換に狩りにでたロバート王は、弟レンリーと口論になってしまいます。
そしてワインをがぶ飲み。ロバート王はいっつも酔っぱらっていますね。
スターク家とラニスター家の対立
ロバート王が狩りに出ている間、ネッドは“鉄の玉座”から民の声を聞きます。
ここで新しい顔、新しい名前、ヤバイ雰囲気、いろいろあったので出来事を簡単にまとめます。
- リヴァーランド(キャトリンの出身地)の家、河川敷、畑が荒らされ、村人が殺されている
- 荒らされた土地には死んだ魚を残された、つまりこれはキャトリンへの報復(タリー家の紋章は魚)
- 村を荒らした者の特徴を聞く限り、“マウンテン”(本名グレガー・クレゲイン)の仕業だとネッドは確信する
ネッドに「どうにかしてくれ」と訴えているのはリヴァーランドの民。リヴァーランドはキャトリンの生まれの地。
荒らしたとされる“マウンテン”はラニスター家の家臣。
「キャトリンがティリオン(ラニスター)を捕虜にした⇒“マウンテン”がリヴァーランド(キャトリン出身地)を荒らす」
のであれば、すべてがつながります。だからネッドはキャトリンへの報復だと確信するのです。
ネッドはロバート王の許可なく、“マウンテン”のすべての称号のはく奪、所領と財産の没収、死刑を宣告する。
さらには、タイウィン・ラニスターをキングズ・ランディングの法廷に召喚する。
タイウィンはラニスター家のトップ。(ティリオン、ジェイミー、サーセイの父)
そのタイウィンを法廷に呼ぶということは、ラニスター家に宣戦布告するようなもの。七王国で最も金と権力があるラニスター家を敵に回すのは、あまりよろしいことではない…
話を少し飛ばしまして、、
このシーンでもう1名新しく登場したのがバラシオン家に忠誠を誓う旗主、ベリック・ドンダリオン。
ネッドの命令により、ベリック・ドンダリオンは“マウンテン”を捕まえにいくことになります。
英語の勉強
ちょっと余談だがこのシーンで「fortnight」という言葉でる。
「fortnight = 2週間」
“He will arrive within the fortnight, or be branded the enemy of the crown.”
「彼は2週間以内に現れなければ、王土への反逆者とみなす」
これは主にイギリスで使われる英語で「fourteen night = 14日」からきている。(アメリカ英語ではあまり使わない)
黒髪、黒髪、黒髪、金髪
サンサ:「ジョフリーは黄金の獅子よ 私は彼の金髪の息子を産む」
アリア:「あの家の紋章は牡鹿よ 父親似の鹿になる」
娘たちの何気ない会話を聞き、ネッドは「七王国の名家の血統に関する書物」を読み返す。そしてバラシオン家の子は全員黒髪であることを知る。
ジョフリー以外は…
「黄金の冠」の感想
王様であるロバートでさえ口出しができないラニスター家に宣戦布告しましたね、ネッド・スタークさん。その恐ろしさを知っているのか、娘のサンサとアリアをウィンターフェルに返すように動き始めましたね。ナイスプレー。
ティリオンは相変わらず口が達者。多彩なトーク術でピンチを乗り越えましたね。さすが。
そしてヴィセーリス。最初から最後までずっとウザキャラ感が出まくってたけど、なんかかわいそう…
デナーリスはもう“カリーシ”ですな。
「黄金の冠」の名言
There is only one god, and His name is Death. And there is only one thing we say to Death: 'not today'.
この世の神は一つ。その名は“死神” 死神に言うことは一つ。“まだ死なぬ”
シリオ・フォレル
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