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【評価】レディー・ガガ主演映画『アリー/スター誕生』は絶対アカデミー賞をとる!

 

「アカデミー賞最有力候補!」

「全米が泣いた!」

こんな映画のキャッチコピーをみると、「ホントかよ…」「どうせウソだろ…」と思いませんか?

こういうありがちなウリ文句で宣伝する時点で、私は「あやしい」と思ってしまいます。

 

そこでこの記事では、「アカデミー賞最有力候補」と絶賛されている映画『アリー/ スター誕生』について個人的に評価をしてみたいと思う。以前から気になっていたこの作品、東京国際映画祭の先行上映で一足早くみてきました。(公開される国のなかで、日本が一番遅いんですよ、くそ!)で、感想としては…

 

結論から言うと、この映画は素晴らしい。私はかなり好きだし、2019年アカデミー賞で「作品賞」「主演女優賞」「主演男優賞」「監督賞」「主題歌賞」のいずれかもしくはすべてにノミネートされなかったら逆にビックリしちゃうな。

2019年2月25日更新

第91回アカデミー賞で『アリー/ スター誕生』は主題歌賞/「Shallow」を受賞しました。おめでとうございます!

 

以下、もうちょっと踏み込んだ映画『アリー/ スター誕生』のネタバレなし評価・感想、あらすじ、作品情報について語っていきます。

 

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映画『アリー/ スター誕生』をみる前にこれだけは言わせて!やられてしまった2つのギャップ!

もし、映画『アリー/ スター誕生』をみようか迷っているのであれば、これだけは言わせてほしい。(絶対みにいく!と決めているのであれば、ここは飛ばしてください)

鑑賞前後で私は「2つのギャップ」にやられてしまった。それは

  • 予想外のストーリー
  • センスがなさすぎる邦題(サブタイトル)

 

予想外のストーリー

『アリー/ スター誕生』をみる前、私は「きっと○○だろう」といった先入観を抱いていた。例えば、

  • きっと、売れない歌手がイケメンと出会い、大恋愛をし、瞬く間に一気にスターダムを駆け上がるサクセスストーリーだろうな
  • きっと、女性が好きそうな「金持ち美男が貧乏美女に惚れ込むシンデレラ・ストーリー」だろうな
  • レディー・ガガが出演しているから、一つの映画ではなく、ガガが歌ってばっかの一本の長いミュージックビデオだろうな

映画をみる前の私は、このような先入観にとらわれていた。

しかし、観終わった今、想像と全然違うストーリーであったことに驚いた。

 

「レディー・ガガがアメリカンドリームを掴む話なんでしょ?」

「どうせ美男美女がイチャイチャ、ベタベタするラブストーリーなんでしょ?」

このような気持ちで『アリー/ スター誕生』をこれからみようか迷っているあなたには言いたい。

 

ぜんぜん違うからね。

 

センスがなさすぎる邦題(サブタイトル)

いらんサブタイトルで映画のイメージを変えてしまう作品はたくさんある。

アリー/ スター誕生』はその中の一つ。

なぜアリーをつけてしまったの?3度目のリメイクだから?(後述する)

このサブタイトルのつけ方だと、あたかもアリーが主人公のように感じ取ってしまう。だが、決してそういうストーリーではない。見方によってはジャクソンが主人公なのではないか、とさえ思ってしまう。(特に後半は)主人公はアリーでもあり、ジャクソンでもある。

あえサブタイトルをつけるのであれば、『スター誕生/ 光と影』がふさわしい。

 

この物語はアリーが主体の話じゃないよ。

 

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『アリー/ スター誕生』のあらすじ

 

歌手を夢見ながらも、ウェイトレスとして働くアリー(レディー・ガガ)。

国民的人気を誇るミュージシャン=ジャクソン(ブラッドリー・クーパー)との出会いが、彼女の人生を大きく変える。

彼に歌の才能を見いだされ、一気にスターダムへと駆け上がっていくアリー。

ショービジネスの華やかな世界を舞台に、アリーの運命の恋、そして栄光と葛藤を描く、感動のエンターテインメント。

 

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『アリー/ スター誕生』の作品情報

【原題 
A Star Is Born

【監督】
ブラッドリー・クーパー

【上映時間】
136分

【日本公開日】
2018年12月21日(金)

【出演】
ブラッドリー・クーパー
レディー・ガガ
サム・エリオット
アンドリュー・ダイス・クレイ
デイヴ・シャペル

 

世界的歌姫、レディー・ガガが満を持して映画初主演。アリーのドラマチックな人生は、NYのクラブのダンサーを経験し、才能を見いだされ一躍スターダムにのし上がったガガの半生そのもの。自らの人生を投影したかのような役どころを体当たりで熱演する。

アカデミー賞受賞作『アメリカン・スナイパー』(2014)のブラッドリー・クーパーが初監督、主演を務める。

 

ポイント

本作は、1937年の『スタア誕生』の3度目のリメイク作(映画としては4度目)となっている。

1937年、1954年版は「映画界のスター」、1976年版は今作同様「音楽界のスター」を目指すストーリー。

スター誕生

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『アリー/ スター誕生』の評価・感想

以下、大きく分けて4つのパートに分けて評価・感想を述べたいと思う。

  • アリー(レディー・ガガ)
  • ジャクソン(ブラッドリー・クーパー)
  • ボビー(サム・エリオット)
  • 映画全体を通しての感想

 

「目」の使い方が素晴らしいアリー(レディー・ガガ)

 
 
 
 
 
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まず気になるのが映画初主演作のレディー・ガガの演技だろう。「奇抜なファッションをするミュージシャン」というイメージを持たれているガガだが、意外にも女優デビューはとっくに果たしている。

レディー・ガガが出演している映画/テレビシリーズ

  • アーサー・フォーゲル ショービズ界の帝王 
  • シン・シティ 復讐の女神 
  • マチェーテ・キルズ 
  • ハンティング・グラウンド 
  • レディー・ガガ Five Foot Two(ドキュメンタリー)
  • アメリカン・ホラー・ストーリー(テレビシリーズ)

※無名時代には人気テレビシリーズ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』にもエキストラとしても3秒ぐらい出演しています

但し、過去作は話題づくりのために出演していたと言わざるを得ない。第73回ゴールデン・グローブ賞でリミテッドシリーズ/テレビムービー部門の女優賞を受賞した『アメリカン・ホラー・ストーリー』も含め、宣伝目的として起用されたに違いない。そう考えると、今作『アリー/ スター誕生』が“実質”ガガの映画デビュー作です。

 

レディー・ガガは本物の女優でした。才能のかたまり。

 

たしかに、今作で演じるアリーは話からして、ガガぴったしの役です。なかなか芽が出ず、ストリップクラブでダンサーをしながらなんとか音楽活動を続けてきたガガの人生は、『アリー/ スター誕生』のストーリーそのもの。例えるなら、エミネム主演の『8 Mile』のような、「自伝映画」でしょうか。

それを踏まえても、レディー・ガガは素晴らしかった。「目」で会話するガガはまるで大女優メリル・ストリープ並み。ぼくが一番好きだったアリーのシーンは、「まゆ毛を外されて恥ずかしがる」表情。とにかく「目」の使い方が必見。当たり前だが、「歌唱力」もフルに生かす。ガガじゃなかったら成り立ってないし魅力が半減する映画。

 

「声」がセクシーすぎるジャクソン(ブラッドリー・クーパー)

 
 
 
 
 
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アリーと並ぶダブル主人公のひとり、ジャクソンを演じるブラッドリー・クーパー主演だけではなく、映画初監督も務めています。

 

まず、演技について。びっくりしたのはブラッドリー・クーパーの「声」。今作のために相当ハードなボイストレーニングを重ねてきたそうだが、「え?こんな歌うまいの??」と度肝を抜かれる覚悟をした方がいい。また、予告編でもわかる通り、普通に会話するシーンでは極限まで「声」を低くしている。これはジャクソンの兄ボビー(サム・エリオット)のトーンに合わせるためにあえて低くしている。(ソース:米The New York Times

 

また、今作は初監督作品ながらアカデミー賞「監督賞」にノミネートされるに違いない。カメラアクション(ショットの使い方)がとにかく素晴らしい。なかでも好きだったのは、アリーとジャクソンが初めて出会うシーンのカメラの移動の仕方。(これは撮影監督のマシュー・リバティークのアイディアかもしれないが)

また、この映画で激しく使われる顔のドアップ・ショットが良い味を出している。しかも前半のアリーはほとんどノーメイク。すっぴんに近いガガ様の毛穴、鼻毛までみえるんじゃないかってぐらいドアップ。これはおそらく、「ジャクソンの目から見たアリー素顔」を表現している。

但し、いいところばかりではない。例えば、「引き算」が出来ず、中だるみ感(特に後半)が否めない。「このシーンも使いたい、あのシーンも使いたい」とせっかく撮れたショットを詰め合わせすぎた結果、ちょっぴし長い映画と感じてしまう。

 

少ない出番一つひとつが「パワフル」なボビー(サム・エリオット)

 
 
 
 
 
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アリー(レディー・ガガ)とジャクソン(ブラッドリー・クーパー)を陰の影で支えるジャクソンの兄ボビーを演じるサム・エリオット。出番は少ないものの、ダブル主人公からスポットライトを奪ったとも思える箇所もしばしば。登場シーンすべてがパワフル。ぼくがこの映画全体で一番好きなシーンは「ボビーが車をバックする」姿。ちなみに、セリフはない。無言。

 

映画全体を通しての評価・感想

よかったところ

3度目のリメイク(映画としては4度目)となった『スター誕生』。ぼくは過去作を一つもみていないこともあり、想像と違うストーリー展開でした。でも予想していた物語と違って、結果的に良かった。良い意味で、裏切られた。魅力的だった。

 

アリー(レディー・ガガ)とジャクソン(ブラッドリー・クーパー)は相性は計り知れない。たしかに、ベタベタなラブストーリーに「よくある」出会い方。だけど、出会った瞬間からこの2人が結ばれている運命だとわかる演技は… いや、もはや演技もしてないんじゃないかな?プライベートでも恋人関係だと思える。リアリティーショーをみているようだ。そして裏の裏で支える兄ボビー(サム・エリオット)。キャラ設定は完璧か。

 

今の音楽業界が抱えているであろう問題への直面。アリーの恋人でもあり、一番のファンでもあるジャクソン。異なる立ち位置にいる恩師で大切なプロデューサー。まるで「商品」かのようにパッケージ化され、自分の本来の姿、やりたい音楽に悩むアリー。自分の夢を追い求める人なら誰しもがぶち当たる「壁」の表現方法としては見事か。

 

世界の歌姫、レディー・ガガが出演しているのにもかかわらず、多用しすぎない音楽。映画ではなく、「レディー・ガガが出ている一本の長いミュージックビデオ」にならなくて本当に良かった。バランスが素晴らしい。

主題歌はどれ? 「シャロウ」? そうなの? すべてが素晴らしく、メインの曲かわからない。

エンドクレジットの入り方最高。エンドクレジットの音楽最高。スクリーンが真っ暗になり、劇場に灯りがつくまでが席を立つことが出来ない。

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イマイチだったところ

ここまで絶賛してきた『アリー/ スター誕生』だが、イマイチ点も指摘しておこう。目立ったのはやはり「中だるみ」。特に中盤あたりで「長い」と感じてしまう。その原因は、無理矢理すぎるシーンと不必要キャラ。

地球上の全女性が好きそうなとあるシーンは、「え? なになに? なんでいきなりこうなった?」と急ぎ過ぎた感は否めない。

また、「このキャラいるか?」と思った人は複数いた。傑作映画『ラ・ラ・ランド』のよう、極限まで二人の世界を描くために登場キャラをもうちょっと絞ってもよかったんじゃないかな。

 

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先入観にとらわれず『アリー/ スター誕生』を観に行こう!

レディー・ガガのことを「奇抜なファッション×派手なパフォーマンスをするミュージシャン」だと思っている、あなた。

ブラッドリー・クーパーのことを『ハングオーバー!』の真ん中のイケメンだと思っている、あなた。

私と同じように変な先入観にとらわれている、あなた。

 

にかく、『アリー/ スター誕生』をみて欲しい。

 

音楽の持つエネルギーとパワー、この映画を通して感じて欲しい。

 

 

映画初主演作のレディー・ガガ

映画初監督作品を手掛けたブラッドリー・クーパー

 

映画界にまた新しい、スターの誕生だ。

 

 

 

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