「ゲーム・オブ・スローンズ」の300年前が舞台となる、ターガリエン家に焦点をあてた新シリーズ「House of the Dragon」の制作が発表されてから約2週間。ふたたび原作者ジョージ・R・R・マーティン(以下GRRM)が自身のブログを更新し、
「House of the Dragon」は1シーズンではなく複数シーズンを計画している
ことを明かしました。
※GRRMは過去のブログで下記を発表していましたが、「複数シーズンの計画」について触れていませんでした。
- HBOは「ゲーム・オブ・スローンズ」に継ぐ番組に正式なゴーサインを出した
- それはパイロット版だけではなく、1シーズン10話からなるシリーズ
- タイトルは「House of the Dragon」で、ターガリエン家に焦点をあてた番組になる
- 舞台は『氷と炎の歌』(A Song of Ice and Fire)の数世紀前となり、架空の歴史書『Fire & Blood』にもとづく
- ライアン・コンダルとミゲル・サポチニクのふたりが新シリーズのショーランナーを務める
-
ターガリエン家の歴史を描く前日譚シリーズ「House of the Dragon」について原作者GRRMが心境を語る
「ターガリエン家に焦点をあてた前日譚シリーズ」の製作が発表された翌日、「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作者ジョージ・R・R・マーティン(以下GRRM)が自身のブログで報告をしました。 この記事では、G ...
続きを見る
以下、GRRMがブログ「A Tip o’ the Crown」で触れた「House of the Dragon」の複数シーズン構想について、重要なところを抜粋、ざっくり要約してまとめています。
もくじ|読みたいところにジャンプ
「House of the Dragon」は少なくても1シーズン以上を計画?
Ryan and I had some great assistance as well, and I wanted to give a tip of the crown to three talented and hard-working young writers who helped to bring this one home. WES TOOKE was Ryan’s right hand man on COLONY, where he served as an executive producer and wrote thirteen episodes. CLAIRE KIECHEL is a young playwright out of New York who came to HOUSE OF THE DRAGON after stints on Netflix’s THE OA and HBO’s new WATCHMEN series. TI MIKKEL came to the show from my own Fevre River Packet Company, where she’s served as a writer’s assistant, helped in the development of a series of short films I hope to produce, and is spearheading the development of TUF VOYAGING as a television series.
ざっくり要約
- ライアン(コンダル)と私は、優秀で若い3人の脚本家に協力してもらった
- ウェス・トゥック(代表作:コロニー)
- クレア・キエッチェル(代表作:The OA、ウォッチメン)
- ティ・ミッケル(GRRMのアシスタント)
※ライアン・コンダルは「House of the Dragon」のショーランナー及び脚本を務める
They sat with Ryan every day in a writer’s room at HBO for months, talking story, going over drafts, giving notes, correcting errors (not that Ryan or I ever made any, no sir, not us), catching inconsistencies, discussing character and plot, offering ideas and suggestions, filling in gaps, breaking down the episodes to come and drawing up a roadmap for the first season and all the seasons to follow.
ざっくり要約
- 彼ら(ウェス・トゥック、クレア・キエッチェル、ティ・ミッケル)はライアンと共にHBOでたくさんの準備をしてきた
- ストーリーを話し、下書きし、メモを取り、修正し、矛盾点を確認し、キャラクターと構想について議論し、アイディアを提案し、ギャップを埋め、エピソードを分析し、
- 最初のシーズンと、それに続くシーズンのローダマップを作成してきた
「それに続くシーズン」=「少なくても1シーズン以上」を計画していると捉えることできますね。
この新情報は、
- 制作を正式に発表したHBO
⇒そもそもエピソード数、シーズン数について言及していない - 大手メディアEntertainment Weekly
⇒Ten first-season episodes - GRRMの過去のブログ
⇒a full season order for ten episodes
などで触れらていませんでした。
まあ、もちろんシーズン1が成功(=高視聴率、サブスク会員の獲得)しない限り、続編は白紙となってしまいますが…
ここまでがGRRMのブログで書かれていた内容。
以下は、個人的な意見をすこしだけ…
「House of the Dragon」は複数シーズン続いたら、キャラクターアークをガン無視…?
ぶっちゃけ、複数シーズンってどうなのよ?!
上手くいくのかよ?!
が今のわたしの気持ちです。
というのも「House of the Dragon」の舞台はターガリエン家の歴史書『Fire & Blood』にもとづくことから。つまり、登場人物がコロコロ変わる可能性が高いからです。
『Fire & Blood』の舞台背景を簡単にまとめると、
- 「ゲーム・オブ・スローンズ」の約300年前から約150年前まで
- “征服王”ことエイゴン・ターガリエン1世と妹レイニスと姉ヴィセーニアの3人で征服戦争を起こし
- この3人が中心となって七王国を統一(いや、厳密にはドーンを除く六王国か…)してターガリエン王朝を築き
- 約150年後のターガリエン家の王位をめぐる内乱「双竜の舞踏(Dance of the Dragons)」までを描く
であり、原作のタイムラインを守るのであれば、シーズン1のキャラクターたちは最終シーズンに生き残っていないことが、見る前から分かってしまっています。(なんせ「征服戦争」と「双竜の舞踏」は150年ほどの期間が空いてるので)
-
「ゲーム・オブ・スローンズ」前日譚シリーズはターガリエン家の治世を描く
久しぶりに「ゲーム・オブ・スローンズ」前日譚シリーズに関するニュースが報道されました。 この記事では、パイロット版の制作が決まったとされる(まだ公式には発表されていない)※ ...
続きを見る
そうなると、「ゲーム・オブ・スローンズ」の核ともいえる、キャラクターアークはガン無視ってことですよね?
たとえば本編GOTでは、アリア、サンサ、シオン、ジェイミー、ハウンドなどなど、シーズン1と最終章では全くの別人として変貌を遂げました。それは8シーズンにおよび丁寧に、じっくりキャラを育てからできた技。同じキャラが複数シーズンに登場したからこそ、我々ファンは彼らをより好きになり、より感情移入してしまう結果をうみました。
しかし「House of the Dragon」のタイムラインは数百年に及ぶので、たとえば
- シーズン1⇒征服戦争が舞台で、主要キャラクターはエイゴン1世、レイニス、ヴィセーニア
- シーズン2⇒征服戦争の100年後が舞台で、全部新キャラ
- シーズン3⇒征服戦争の150年後が舞台で、また全部新キャラ
なんてことも十分あり得ます。
こんな感じでシーズンごとに主要自人物がコロコロ変わってしまうと、GOTの魅力のひとつであったキャラクターアークが全然見られないんじゃないですかね?
まあ詳細が発表されていないので、なんとも言えませんが…