広告 ゲーム・オブ・スローンズ 氷と炎の歌/書籍

原作者ジョージ・R・R・マーティン、小説はTVドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』と大きく異なると明かす

ジョージ・R・R・マーティン 2

『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者ジョージ・R・R・マーティンが、小説シリーズ『氷と炎の歌』とTVドラマの違いや、小説の続編『冬の狂風(The Winds of Winter)』の執筆状況を自身のブログNot A Blogで報告しました。

  • HBOで起こったある事柄は、本では起こらない。その逆も然り。
  • ヤーラ・グレイジョイはアシャ・グレイジョイではないし、HBOのユーロン・グレイジョイは、私のとはずっと、ずっと、ずっと、ずっと違うんだ。クェイスにはまだ役割がある。リコン・スタークもだ。
  • 『ゲーム・オブ・スローンズ』で最後まで生き残ったキャラクターが、『氷と炎の歌』でも生き残るとは限らないし、『ゲーム・オブ・スローンズ』で死んだキャラクターが、『氷と炎の歌』でも死ぬとは限らない。

など、ここ数年でこれほどまで詳細に語ったことはないぐらい、濃い内容となっています。ブログ内容を日本語訳しました。

 

What I have noticed more and more of late, however, is my gardening is taking me further and further away from the television series.   Yes, some of the things you saw on HBO in GAME OF THRONES you will also see in THE WINDS OF WINTER (though maybe not in quite the same ways)… but much of the rest will be quite different.

Not A Blogより引用

日本語訳

(前略)しかし、最近ますます気がついたのは、私の庭作業(※)がTVドラマからどんどん離れていっていること。HBOの『ゲーム・オブ・スローンズ』で見たいくつかの出来事は、『冬の狂風』でも見られる。(まったく同じではないかもしれないが)...しかし、残りの大部分はまったく違うものになるだろうね。

※ジョージ・R・R・マーティンは以前から、自分の執筆プロセスや、小説家の種類について説明してきました。いわく、小説家には2つのタイプ「architect(建築家)」と「gardner(庭師)」がいて、自身は庭師タイプだと述べています。建築家はある程度、構想を練ったうえで執筆作業を行う。対する庭師は、書きながら、そのつど手を加えて物語を変化させていく。

 

 

And really, when you think about it, this was inevitable.   The novels are much bigger and much much more complex than the series.   Certain things that happened on HBO will not happen in the books.   And vice versa.   I have viewpoint characters in the books never seen on the show: Victarion Greyjoy, Arianne Martell, Areo Hotah, Jon Connington, Aeron Damphair   They will all have chapters, and the things they do and say will impact the story and the major characters who were on the show.   I have legions of secondary characters, not POVs but nonetheless important to the plot, who also figure in the story: Lady Stoneheart, Young Griff,  the Tattered Prince, Penny, Brown Ben Plumm, the Shavepate, Marwyn the Mage, Darkstar, Jeyne Westerling.  Some characters you saw in the show are quite different than the versions in the novels.   Yarra Greyjoy is not Asha Greyjoy, and HBO’s Euron Greyjoy is way, way, way, way different from mine.   Quaithe still has a part to play.  So does Rickon Stark.   And poor Jeyne Poole.   And… well, the list is long.    (And all this is part of why WINDS is taking so long.   This is hard, guys).

Not A Blogより引用

日本語訳

よく考えてみると、これは必然的なことだ。 小説は、TVドラマよりもずっと大きく、ずっと複雑。HBOで起こったある事柄は、本では起こらない。その逆も然り。 本には、TVドラマでは登場しないキャラクターの視点人物(※)がある。例えば、ヴィクタリオン・グレイジョイ、アリアン・マーテル、アリオ・ホター(※※)、ジョン・コニントン、エイロン・ダンプヘア(※※)は全員、章を持っており、彼らの行動や言動が物語やTVドラマに登場していた主要キャラクターに影響を与えることになる。視点人物ではないけれど、プロット上重要な二次的キャラクターが何人もいるんだ。レディ・ストーンハート、若きグリフ、襤褸の貴公子、ペニー、褐色のベン・プラム、剃髪頭、魔法使いのマーウィン、ダークスター、ジェイン・ウェスタリング。TVドラマで見たキャラクターは、小説版とはかなり異なる者もいる。ヤーラ・グレイジョイはアシャ・グレイジョイではないし、HBOのユーロン・グレイジョイ(※※※)は、私のとはずっと、ずっと、ずっと、ずっと違うんだ。クェイスにはまだ役割がある。リコン・スタークもだ。そして哀れなジェイン・プールも。そして...まあ、リストは長い(『冬の狂風』が長引いている理由のひとつはこれだ。大変なんだよ、皆さん)。

※『氷と炎の歌』の各章は、視点人物と呼ばれる特定の登場人物の目を通し、その主観を交えて三人称で語られています。

 

アリオ・ホターとエイロン・ダンプヘア

※※アリオ・ホターとエイロン・ダンプヘアは『ゲーム・オブ・スローンズ』に登場していました。そのため、「ジョージ・R・R・マーティンが考えているアリオ・ホターやエイロン・ダンプヘアは登場していない」という意味かもしれません笑

 

ユーロン・グレイジョイ

※※※小説版とTVドラマ版のユーロン・グレイジョイは随分とキャラクター性が異なります。

 

 

Oh, and there will be new characters as well.   No new viewpoints, I promise you that, but with all these journeys and battles and scheming to come, inevitably our major players will be encountering new people in lands far and near.

Not A Blogより引用

日本語訳

それと、新しいキャラクターも登場する。新しい視点がないことは約束するが、旅と戦いと策謀が待ち受けているので、必然的に主要キャラクターたちは遠く離れた土地や近くの土地で新しい人々に出会うことになるだろう。

 

 

One thing I can say,  in general enough terms that I will not be spoiling anything:  not all of the characters who survived until the end of GAME OF THRONES will survive until the end of A SONG OF ICE & FIRE, and not all of the characters who died on GAME OF THRONES will die in A SONG OF ICE & FIRE.   (Some will, sure.  Of course.   Maybe most.   But definitely not all)   ((Of course, I could change my mind again next week, with the next chapter I write.   That’s gardening)).

Not A Blogより引用

日本語訳

一つ言えることは、ネタバレにならない程度に一般的な言葉で言うと、『ゲーム・オブ・スローンズ』で最後まで生き残ったキャラクターが、『氷と炎の歌』でも生き残るとは限らないし、『ゲーム・オブ・スローンズ』で死んだキャラクターが、『氷と炎の歌』でも死ぬとは限らない。(もちろん、同じ運命の人もいる。たぶん、ほとんどがそうなるはずだ。しかし、間違いなくすべてが同じではない)(もちろん、来週、次の章を書いた頃には、また気が変わるかもしれないが。それが庭造りというものだ)。

 

 

And the ending?   You will need to wait until I get there.   Some things will be the same.   A lot will not.

Not A Blogより引用

日本語訳

エンディング?私がそこに辿り着くまで、待つ必要があるだろう。同じになることもあれば、そうはならないこともたくさんある。

 

 

No doubt, once I am done, there will be huge debate about which version of the story is better.   Some people will like my book, others will prefer the television show.   And that’s fine, you pays your money and your make your choice.   (I do fear that a certain proportion of fans are so angry about how long WINDS has taken me that they are prepared to hate the book, unread.   That saddens me, but there nothing I can do about it, but write the best book that I can, and hope that when it comes out most fans will read it with clean hands and an open mind).

That’s all I can tell you right now.  I need to get back to the garden.   Tyrion is waiting for me.

Not A Blogより引用

日本語訳

私が書き終えたとき、どちらのバージョンがいいのか、大議論になるに違いない。私の本が好きな人もいれば、TVドラマの方が好きな人もいるだろう。でも、それでいいんだ。あなたがお金を払い、あなたが選択すればいい。(ある種のファンは、『冬の狂風』に時間がかかっていることに腹を立てて、この本を読まずに嫌いになるつもりではないかと危惧している。それは悲しいことだが、私にできることは、できる限り最高の本を書くことだけだ。本が出版されたとき、先入観を持たずに読んでくれることを望んでいる)。

今言えるのはそれだけだ。私は庭に戻らないといけない。ティリオンが待ってるんだ。

 

 

以上です。

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