- この記事では『スター・ウォーズ/ スカイウォーカーの夜明け』の感想をネタバレありで書いています
- あくまでも個人の感想です
大の『スター・ウォーズ』好きである私の『スカイウォーカーの夜明け』の感想は...
おもしろかった。
けど不満だらけ。
『スカイウォーカーの夜明け』はエンタメ要素たっぷり。見どころ満載。ライトセーバー・バトルは迫力満点。ビジュアル、音楽、演技、演出は素晴らしい。
- 新ヒーローたちの相性(レイ×フィン×ポーはもっと見たかった!)
- カイロ・レン⇒ベン・ソロへの軌跡(ハン・ソロのことを「お父さん」と呼ぶの最高)
- サーガを締めくくる2つの太陽の演出(ルークがみたのは夕日(日暮れ)、対してレイがみたのは朝日(夜明け))
などは、めちゃくちゃ大好き。
でもそれ以上に、「計画性がみられないストーリー」が目立った。問題は脚本でしょう。
続3部作は、つながってるトリロジーではなく、3つの「独立」した映画だよね?『スカイウォーカーの夜明け』は『最後のジェダイ』の「続編」になってなかったのが残念。
また、ファンを怒らせないような「安全な道を選んだ作品」に思えた。ぜんぜん攻めてない。新しい要素にも欠ける。
まるで『スカイウォーカーの夜明け』がファンフィルムのように感じたうえ、いろいろと疑問が残ったし、どうしても好きになれないプロットが多い。たとえば...
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【大問題】パルパティーンの復活は疑問だらけ
物語を語るうえで「復活」や「よみがえり」は非常にデリケートに扱わないといけないと思うんですよね。なぜなら「実は生きてた」とか「一度死んだけど生き返った」をキチンと説明することなく簡単にやってしまうと、「また復活できちゃうじゃないの?」と思ってしまうから。
『スカイウォーカーの夜明け』の冒頭は、カイロ・レンの目的やレジスタンスがやろうとしてること、レイのトレーニング風景などの細かい描写はあるものの、肝心の「パルパティーンがどうやって復活したか」を完全にスルー。
そうなると、「本当に死んだの?」と疑問に残っちゃうだよね。
『ジェダイの帰還』でパルパティーン死ぬ
↓
実は生きてた
↓
『スカイウォーカーの夜明け』でまた死ぬ
↓
実は生きてた???
だって一度は復活できたんだよ?「どうやって蘇ったか」をハッキリと説明しないと、これで本当に本当に死んだって、説明できなくない?もうこれで二度と復活しないって、納得させてくれよ?
あと「パルパティーンの再登場は最初から構想にあった」問題ね。
Kathleen Kennedy says Palpatine's return was in the blueprint for a long time. "We had not landed on exactly how we might do that, but it was always [to be in Episode IX]." pic.twitter.com/SDqqKHgJ7C
— Kevin Polowy (@djkevlar) April 12, 2019
『スカイウォーカーの夜明け』の初映像が公開されて間もなく、ルーカスフィルム社長キャスリーン・ケネディは
パルパティーン復活の計画は長い間ありました。具体的にどうするかまでは着地していませんでしたが、『エピソード9』の登場は以前から考えていました。
と説明してたけど...
いやいや、ホントかよ?!
私はパルパティーン大好きだし、復活登場すると知ってテンション爆上げしたけど、「最初から構想にあった」はウソとしか思えない。
「スノーク死んじゃったし、パル戻しとくか」みたいなノリで復帰したように感じたし、オープニングからエンディングまでどうしても「旧3部作と一緒じゃね? 今度はルークじゃなくてレイをダークサイドに導こうとするけどまた失敗するんでしょ?」と若干引いてる自分がいた。
てかパルパティーンをわざわざ復活させる意味はあったの?
「それはレイがパルパティーンの孫だからでしょ!」
そんな声が聞こえてきそうだけど、それは全くもって説明にならない。というか、これも具体的なプランがなかったうえでの後付けでしょ。
だってそんな重要な、物語を変えるようなレイのバックグラウンドは『フォースの覚醒』や『最後のジェダイ』で一切ヒント出てないんだから!(『フォースの覚醒』でのレイのライトセーバー捌きが『シスの復讐』のパルパティーンっぽい、とかはカウントしないですよ)
個人的には、レイは「誰でもない者」の方が良かったんじゃないかと思う。
親とか血筋とか関係ないほうが今後の『スター・ウォーズ』映画、実写テレビシリーズ、アニメシリーズ、小説、コミックをつくるうえでもっと興味深いものになるだろうに。
そして『最後のジェダイ』のラストシーンに登場した奴隷の(ホウキをもった)少年の存在、つまり「誰でもない者」でもフォースをつかえる(強力なパワーを持てる)というメッセージと路線を無視。
無視といえば…
『スカイウォーカーの夜明け』は『最後のジェダイ』を完全に無視
今回の物語は、前作『最後のジェダイ』を無視。いや、ガン無視。いや、むしろ否定…?
ルークとライトセーバー。
ルークは『最後のジェダイ』で「こんなレーザーソードいらねえし」とライトセーバーを捨てるものの、今作でレイが同じことをしようとすると「ジェダイの武器に敬意を払え、捨てちゃいかん」と言いい、まるで前作の出来事はなかったことにしちゃう。(あれから成長したのは分かるけど…)
ローズの扱いもヒドイ。
ローズは物語に必要だったから『スカイウォーカーの夜明け』に出てたわけじゃなく、『最後のジェダイ』でそこそこメジャーキャラだったから続編にいないとオカシイ。だから仕方なく出した。だよね?
新キャラのジャナの役割は全部ローズで良かったんじゃないの?
ローズの行動とセリフの少なさにびっくり。そしてセリフといえば…
印象に残るセリフなし
『スカイウォーカーの夜明け』には印象に残るセリフなし。
グッとくるセリフは過去作品の引用ばかり。
涙腺を刺激されたのはハン・ソロなどの旧キャラ絡み。
さらに言うと、説明口調が多い。映画全体のペースがまるでジェットコースターかのようにに速く、次からつぎへと展開が変わるためか、とにかく説明セリフだらけ。マズ・カナダを筆頭に、「今どういう状況でこれから何をしようとするのか」を丁寧に説明しちゃうから、テンポが悪いと感じてしまう。
マズは1000年も酒場を経営していたわけだし、宇宙中のパイロットと知り合いだから、レジスタンスの援軍の呼びかけは彼女がやるべきだったんじゃないか?
新キャラはおもちゃ売るためだよね?
他にもまだまだたくさん。
- 新キャラの意味のなさ
- D-O、レン騎士団、シス・トルーパーは「おもちゃ売るためじゃん」としか思えない
- チューイ死んだ?⇒いや数分後にすぐ復帰
- どうせ復帰するならクライマックスまで引っ張ってからの再登場で良かったんじゃないか?
- タイトルの意味
- 最後のシーンだけじゃん?
とまあ『スカイウォーカーの夜明け』の気に入らなかったところを書き出してみたら、止まらないですわ。ので、ここらへんでストップさせときましょう。
いやいや私は『スター・ウォーズ』大好きなんですよ。
ですけど今回のエピソード9はあんまり好きじゃない!