今回の映画レビューは ホラー傑作、
『シャイニング』
子供には見せれない度10点
巨匠スタンリー・キューブリック作品。キューブリック作品なので、ただのホラー映画というより、映像美が光るホラー映画。ホラーにありがちのグロいシーン連発、っていう感じではない。もちろん血とか殺人シーンとかもあるんですが、人間の精神的怖さ、不気味さを感じさせるところが結構ガチで恐ろしい映画です。そしてキューブリックらしく、クエスチョンマークを残すような(?)エンディングで終わります。
- 国際版(119分)
- 通常公開版(143分)
- プレミア上映版(146分)
の3つのバージョンがありますが、今回はAmazonプライム・ビデオで見れる国際版(119分)の感想、ラストシーンの考察について意見をまとめました。
この記事のもくじ
【シャイニング】のあらすじ
豪雪のため冬季の間は閉鎖されるコロラド州のロッキー山脈にあるリゾート「オーバールック・ホテル」は管理人を探していた。このホテルは、かつて管理人だった男が自分の妻と娘2人を斧で殺害し、ホテル内でその後自殺したといういわくつきの場所だったが、執筆活動のため静かな環境を求める売れない作家のジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)は妻のウェンディ(シェリー・デュヴァル)、息子のダニー(ダニー・ロイド)を連れ、住み込みで管理人の仕事を引き受けることとなった。超能力“シャイニング”を持つダニーはこのホテルの超常現象を目撃し、ホテルに行くことを拒むが、契約を交わしてしまった3人家族の新生活が始まる…
作品情報
原題 : The Shining
監督、脚本、制作 : スタンリー・キューブリック(2001年宇宙の旅)
原作 : スティーブン・キング
キャスト : ジャック・ニコルソン(カッコーの巣の上で、バットマン)、シェリー・デュヴァル(三人の女)、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース(カッコーの巣の上で)
制作年 : 1980年
制作国 : イギリス、アメリカ
上映時間 : 119分(国際版)、143分(通常公開版)、146分(プレミア上映版)
※()内は代表作
モダンホラー作家、スティーブン・キングの原作を改変しまくって映画化させた作品。原作の内容とあまりにも違うので、スティーブン・キングは相当激怒したみたいです。ちなみに、映画に納得がいかないスティーブン・キングは自ら製作総指揮で1997年にドラマ化を実現させています。
今回は国際版(119分)のみについて書いておりますので、原作とドラマの情報は入れていません。
【感想】ここが怖い(ネタバレなし)
俳優陣の名演技
ジャック・ニコルソンの演技が良すぎてめっちゃ怖い!
今まで見てきた映画で、このジャック・ニコルソンは歴代トップテンの演技力に入ります!
話し方だけではなく、眉毛の形とか、М字ハゲとか、目つきとか全部含めて怖い。
この写真ではないですが、一回チラッとカメラ目線になるシーンはヤバいです。
シェリー・デュヴァルはヒステリックなところだけではなく、顔がこけてるせいか、目がギョロっとしているせいか、見た目が怖いです。
個人的な見解です。
ごめんなさい。。
不気味な音
テーマらしきものは映画冒頭のオープニング以外ないが、不気味な音が常に鳴り続け、圧迫感を感じさせる。
普通の会話をしているときにかすかにに聞こえる吹雪らしき音も“外には逃げれない感”を感じさせるあたりが怖い。
独特のカメラワーク
画面の切り替えしや演出が素晴らしく、必要以上に何か迫られている感じがする。
ちなみに、シャイニングでは世界で初めてステディカムを導入した映画です。
ステディカム(英語:Steadicam)とは、カメラマンがカメラを持って歩いたりあるいは車載した際に、その移動によって生じるブレや振動を抑え、スムーズな映像を録ることを目的に開発されたカメラスタビライザー(カメラ安定支持機材)である。 スムーズな移動映像を撮影するためには、それまではレール上の台車やクレーンにカメラを載せて移動するという大掛かりな手段しかなかった。しかし、ステディカムの登場によって、カメラマンが手持ちカメラのまま走ったりしても容易に滑らかでスムーズな移動映像が撮影できるようになった。
wikipediaより引用
ダニーがホテル内を三輪車で遊んでいるシーンをステディカムのワンカットで撮ることによって、ホテルの奥深さを感じさせ、「やばい、もうそれ以上行かないで!」って思わず叫びたくなる。
鏡にうつる…
ホラー映画に出てくるホテル内の鏡。
もう考えるだけで怖いですが、これが結構キーになります。(あの有名なシーンではなく)
鏡は当然反射するものだが、なぜか鏡が鏡の役割を果たさないシーンがあります。
これはかなり意図的に撮っている画だと思っており、後述します。(ネタバレありです)
【考察】写真の意味(ネタバレあり)
様々な議論を呼んでいるラストシーン。
不愉快さ(良い意味で)を感じるあの写真。
ジャック、もしくはジャックと似た男が1921年7月4日の仮装パーティーの集合写真に映りこんでいる。
59年前の写真なので、ジャックが写真に写っているのは明らかにおかしい。
- かつて1921年にジャックと似た男が管理人として存在していて、ジャックはその生まれ変わり説
- ジャックがホテルの幽霊の一部となり、幽霊の集合写真に新たに追加された説
- 写真の写っている男はジャックではなく、ただ単に似ていただけ説
が代表的でしょうか。
私は、ジャックがホテルの幽霊の一部となり、幽霊の集合写真に新たに追加された説
が有力だと思います。
トイレのシーン
ジャックとウェイターのデルバート・グレーディーがトイレで会話するシーン。
トイレは鏡だらけなのに、ジャックは映りこんでいない。
また、デルバート・グレーディーに「あなたこそ管理人だ、ずっと昔から」と言われます。
つまり、ホテルの呪いにかかってしまったジャックは幽霊となり、新たにホテルの一部となって写真に追加されたんじゃないか?
ジャックが一度チラッと鏡を見るシーンがありますが、自分とデルバート・グレーディーが幽霊かどうかを確認しているようにも見えます。
7月4日
写真の日付、7月4日はアメリカの独立記念日。
この映画では、アメリカの国旗、またはその色(赤、白、青)がたくさん出てきます。
アルマン支配人、ダニー、ウェンディが着ている服も、赤、白、青が多いです。
インディアンの土地を勝手に奪った白人は、勝手に独立記念日として堂々とパーティーなんかを開いちゃってます。
ホテルはもともとインディアンの墓地で、建設中も揉めて何人か殺した、ということが映画冒頭で説明されています。
エレベーターから流れてくる血の海はインディアンを殺害しまくったことを意味しているのか?
インディアンは復讐のためにホテルに呪いをかけたのか?
独立記念日にあたる7月4日の仮装パーティーに参加していた白人はインディアンの呪いによって幽霊とされ、ジャックは幽霊の管理人とされてしまったのか?
小説のアイディアが浮かばないジャックは、気分転換としてインディアンの模様にボールをぶつけています。
また、ジャックはバーテンダーのロイドに、「酒は白人のもの、インディアンは知らない」と白人至上主義とも捉えられる発言をしています。
※余談ですが、ロイドは【ブレードランナー】のタイレル社長です。
インディアンから土地を奪い、独立記念日にパーティー。
軽蔑されたインディアンはジャックに復讐をしたのか??
総合評価 (ネタバレなし)
総合評価: A
ホラー映画で何度も見返したいと思ったのは【羊たちの沈黙】と、この【シャイニング】ぐらいです。(今のところ)
アンサーがない映画が大好きな方はかなりおすすめです。
説明がつかない映像がたくさん出てきますが、映画側のミスなのか、それともわざとそうしているのか?
でもあのキューブリック作品だからな…
映画の中の人と同じく、キューブリックは我々も迷路に迷い込ませてるのか??
映画『シャイニング』はAmazonプライム・ビデオで見れますよ!
『シャイニング』の続編の制作も決定していますよ!
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