日本が舞台のストップ・モーション・アニメ、
『犬ヶ島』
を字幕版109シネマズで見てきました!
※字幕版と強調したのは理由あり。
この映画のポイントである、コミュニケーション方法について考えてみました。
ネタバレなしで送りします。
この記事のもくじ
あらすじ
今から20年後の日本。メガ崎市ではドッグ病が蔓延し、人間への感染を恐れた小林市長が、すべての犬を“犬ヶ島”に追放すると宣言する。
数か月後、犬ヶ島では、怒りと悲しみと空腹を抱えた犬たちがさまよっていた。その中に、ひときわ大きな5匹のグループがいる。かつては快適な家の中で飼われていたレックス、22本のドッグフードのCMに出演したキング、高校野球で最強チームのマスコットだったボス、健康管理に気を使ってくれる飼い主の愛犬だったデュークだ。そんな元ペットの4匹に、強く生きろと喝を入れるのが、ノラ犬だったチーフだ。
ある時、一人の少年が小型飛行機で島に降り立つ。彼の名はアタリ、護衛犬だったスポッツを捜しに来た小林市長の養子だ。事故で両親を亡くしてひとりぼっちになり、遠縁の小林市長に引き取られた12歳のアタリにとって、スポッツだけが心を許せる親友だった。
スポッツは鍵のかかったオリから出られずに死んでしまったと思われたが、それは“犬”違いだった。何としてもスポッツを救い出すと決意するアタリに感動したレックスは、伝説の予言犬ジュピターとオラクルを訪ねて、教えを請おうと提案する。
一方、メガ崎市では、小林政権を批判し、ドッグ病の治療薬を研究していた渡辺教授が軟禁される。メガ崎高校新聞部のヒロシ編集員と留学生のウォーカーは、背後に潜む陰謀をかぎつけ調査を始める。
アタリと5匹は、予言犬の「旅を続けよ」という言葉に従うが、思わぬアクシデントから、アタリとチーフが仲間からはぐれてしまう。少しずつ心を通い合わせ始める一人と一匹に、さらなる冒険が待っていた─。『犬ヶ島』公式hpより抜粋
作品情報
原題 : Isle of Dogs
監督、脚本 : ウェス・アンダーソン
キャスト : 下記参照
公開年 : 2018年
制作国 : アメリカ、ドイツ
上映時間 : 105分
4年の歳月をかけた、ストップ・モーション・アニメ。
犬の毛並みとか、ストップ・モーションとは思えないぐらい美しい。
漫画っぽいケンカのシーンってどうやってるんだろう??って個人的に気になりましたが、メーキングにありました。
監督は日本文化を尊敬するウェス・アンダーソン。
2009年公開のストップ・モーション・アニメ、『ファンタスティック Mr.FOX』もウェス・アンダーソン監督作品。
オールスター声優
この映画、何と言ったって声優が豪華すぎる!!
ブライアン・クランストン
犬のリーダー、チーフの声優は私がチョーウルトラ大好きな海外ドラマ『ブレーキング・バッド』のブライアン・クランストン。
エドワード・ノートン
仲間の意見を尊重する元気で明るい犬、レックスの声優はエドワード・ノートン。
代表作は『ファイト・クラブ』『アメリカン・ヒストリーX』。
ウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』にも出演している。
ボブ・バラバン
ドッグフードのCMに出ていた元アイドル犬、キングの声優はボブ・バラバン。
同じく、ウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』にも出演している。
ビル・マーレイ
高校野球チームの元マスコット犬、ボスの声はビル・マーレイ。
代表作は、『恋はデジャ・ブ』、『ゴースト・バスターズ』。
ウェス・アンダーソン監督作品には、『グランド・ブダペスト・ホテル』だけではなく、『ファンタスティック Mr.FOX』『ダージリン急行』にも出演。
ちなみに、スター・ウォーズファンとして一応述べておくが、ハン・ソロ役を打診されたこともあるらしいです。
ハリソン・フォードで良かったね。
ジェフ・ゴールドブラム
ゴシップが大好きな犬、デュークの声優はジェフ・ゴールドブラム。
代表作は『ジュラシック・パーク』『インディペンデンス・デイ』。
ウェス・アンダーソン監督作品は、『ライフ・アクアティック』、『グランド・ブダペスト・ホテル』に出演。
スカーレット・ヨハンソン
元ショードッグの美女犬、ナツメグの声優はマーベル作品で活躍中のスカーレット・ヨハンソン。
『スポンジ・ボブ/スクエアパンツ』、『ジャングル・ブック』、『SING/シング』など、声優として出演している映画も多い。
中でもお勧めなのは『her/世界でひとつの彼女』。
フランシス・マクドーマンド
ニュース番組の通訳者の声優は『スリー・ビルボード』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したばかりのフランシス・マクドーマンド。
その他
- 『スポットライト 世紀のスクープ』のリーブ・シュレイバー
- 『アマデウス』のF・マーリー・エイブラハム
- 『フィクサー』のティルダ・スウィントン
- 『レディ・バード』の監督、脚本を手掛けたグレタ・ガーウィグ
日本が舞台ということもあって、日本人もたくさん出ていますよ!
- 『ロスト・イン・トランスレーション』の野村訓市
- 『幸せのレシピ』の高山明
- 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の伊藤晃
- 『武曲 MUKOKU』の村上虹郎
- RADWIMPSの野田洋次郎
- いろいろ出ている渡辺謙
- いろいろ出ている夏木マリ
- 科学者助手ヨーコ・オノ役としてオノ・ヨーコ
本作の主人公の小林アタリ役はスコットランド系カナダ人と日本人のハーフのコーユー・ランキンです。
なぜ日本語に英語字幕が付いていないのか
人間と犬ってどうやってコミュニケーションを取るんですか?
言葉ではないですね。
だって、言葉で意思の疎通はできないですもんね。
映画冒頭で説明がありますが、
- 犬は英語で話し、英語字幕が付いている
- 日本人は日本語で話し、日本語も英語も字幕が付いていない
というルールのもと、ストーリーが描かれます。
アメリカ版公式トレーラーでも日本語に字幕が付いていないことがわかります。
アタリが日本語を喋っているとき、犬が
Hope somebody spoke his language.
「何語だ?」
って混乱しているシーンもトレーラーに入っていますね。
主人公のアタリ(日本人)は、日本語で犬と会話(話しかける)しています。
話しかけられている犬は英語しかできない(日本語はできない)ので、アタリが喋っている内容を理解できていません。
それでも、犬たちはアタリの身振り、表情、スポッツの写真を持っていることから、なんとなくスポッツを探していることを理解できています。
海外の評価サイトでは、日本語に字幕が付いていないことが批判されている意見を多く見受けました。
でも、これは明らかに狙っていますね。
海外の方は犬の視点で映画を見ることになるのです。
この物語は英語圏の国が舞台だと、ストーリーは成立しないのです。
例外的に日本語のテレビニュース、講堂での演説は英語及び日本語の字幕が両方付いています。
それは、同時通訳者がいるからですね。
日本人同士の会話、日本人と犬の会話は当然同時通訳者がいないので日本語には字幕が付いていない。
現実世界もそうですよね。
ま~何が言いたいかって言うと、
外国語ができなくてビビっているあなた!
身振りや表情で十分コミュニケーション取れるってことですよ!