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Netflix『ハイ・フライング・バード-目指せバスケの頂点-』のロックアウトとは?

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Netflixオリジナル映画『ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-』を観ました。

タイトルに「目指せバスケの頂点」と入ってるくらいだからNBAを彷彿とさせる超絶ダンクやスリーポイントシュートなど、たくさんみれると思ったら大間違いです。

主人公はプレーヤーではなく、スポーツエージェント。つまりプレーヤーの代理人です。そういうこともあり「バスケのプレー」は何一つとしてない。1on1も、3on3も、5on5の描写は一度もありません。

そういう意味ではNFL(プロアメリカンフットボール)選手のファイナンシャル・アドバイザーが主役のHBOドラマ『Ballers/ボウラーズ』と少し似ています。

 

映画『ハイ・フライング・バード 』はバスケ(プロスポーツ)の裏の世界を知りたければ新たな勉強になります。反対に、「バスケのスーパープレーが見たい!」と思っているならお勧めできません。

 

それでも観たいという方に一つだけ忠告があります。

冒頭から「ロックアウトが解除されない…」「ロックアウトのせいで…」という具合に始まり、「そもそもロックアウトって何なの?」の説明がなく物語が進むのです。

だからロックアウトを理解していないと話についていけず、ストーリーの目的が全く見えてこない可能性が高いです。

 

この記事では「NBAのロックアウトってなんなのか」を説明していきます。

尚、iphone7を使って映画を撮ったなど、『ハイ・フライング・バード 』の作品情報や感想については一切触れません。

 

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ロックアウトとは事業場から労働者を退出させること

ロックアウトとは、使用者が労働者の労務提供を拒否することで、多くは、事業場から労働者を退出させることによって行われます。

労働組合対策相談室より引用

「もっと賃金あげろ! 改善されるまで働かないぞ!」といった労働者側が仕事を放棄することがストライキ。

対するロックアウトは「そんな要求飲みこまないぞ! 妥協点がみつかるまで、会社に来なくていいぞ!」といった使用者(経営者)が労働者(従業員)に働かせないことだ。

 

労働者が働かない(働けない)ことは、給料がもらえないことでもある。

また、使用者側が所有している施設(例:事業所、工場など)の出入りも禁止となる。

 

当然ロックアウトは双方にとってデメリットが多い。労働者がいないと使用者のビジネスは成り立たないし、使用者が働かせてくれないと労働者は賃金を稼ぐことができない。

 

日本では珍しいかもしれないけど、海外スポーツの世界でもロックアウトは何度も起きている。1946年から発足したNBAは過去に2度の大きなロックアウトが行われた。

 

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NBAでは過去に2度ロックアウトが起きてシーズンが短縮してしまった

NBA ロックアウト

70年以上続いているNBAでは、今まで2度のロックアウトでシーズンが短縮された経験がある。

1度目のロックアウトは1998-99年シーズン。通常であれば10月後半からシーズン開幕を迎えるNBAだが、1998-99年は労働者(選手会)と使用者(チームオーナー)の要求に折り合いがつかず開幕が年を越した2月5日まで延期された。レギュラーシーズン82試合中32試合が削られ、オールスターゲームも中止となってしまった。

2度目のロックアウトは2011-12年シーズン。ここではシーズン開幕が12月25日までに延期され、82試合中16試合が削られた。

 

ロックアウトが発生した原因はいずれも、収益分配金などのサラリー問題。たとえば、2005年では57%あった選手への収益配分が、2011年で改定されたCBA(労使協定)では50%に減率されたことがロックアウトの大きな要因。

背景にはリーマンショックなどの世界的不況。赤字経営となってしまったチームオーナーが続出したため、選手側がもらえる収益を下げようとした。当然、選手会は猛反発し、オーナー側も妥協しなかったためロックアウトに突入してしまったのだ。

 

NBAロックアウトは事業が儲からない使用者(チームオーナー)、給料がもらえない労働者(選手会)、放映料が入らないテレビ局、試合を見れない視聴者などあらゆる方面にデメリットが多い。逆にメリットはほとんどないと言える。

 

また、ロックアウトは使用者側が所有している施設の使用が禁止されるので選手たちはチームの練習施設やロッカーなどが使えない。コーチやトレーニングスタッフとの接触も禁止されている。

練習はあくまでも個人的(チーム設備は使用禁止)にやるしかいない。そういう経緯で、ロックアウト解除までNBAのスター選手たちは独自に集まりピックアップゲームを行っていたのだ。

ロックアウト中の2011年シーズン開幕前

 

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『ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-』はNBAロックアウト中のストーリー

というわけで、Netflixオリジナル映画『ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-』はNBAロックアウト発動中の裏側の世界がストーリーの中心です。

選手たちは公式戦への出場機会はないし、チーム設備を使ってトレーニングや練習ができない。だから試合の描写などは一切ないうえ、主人公はプレーヤーではなくその代理人。「ロックアウトをどう打破するか?」というお話です。

普段みることがない、スポーツエージェントの巧みなやり取りに興味があるなら、おすすめですよ。

 

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