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映画『ファースト・マン』の感想「大きな目標には大きな犠牲が伴う」

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これは1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大なる飛躍である。

That's one small step for (a) man, one giant leap for mankind." 

ニール・アームストロング

 

人類で初めて月面に降り立った人物、ニール・アームストロングの半生を描いた映画『ファースト・マン』の感想です。

 

1969年、月面着陸に成功したアポロ11号の映画やドキュメンタリーは小さい頃からたくさんみてきましたが、いち人間としてのニール・アームストロングは全く知りませんでした。

  • どんな人なのか? 
  • モチベーションはどこからきてるのか?
  • なぜこんな危険で過酷なミッションに挑むのか? 
  • てかなんで月に行こうと思ったの?すごくない?

人類で初めて月に足跡を残したアームストロングはきっとヤバイ奴なんだろう…

 

そういうのが興味津々で映画『ファースト・マン』をみましたが、

 

ニール・アームストロングは歴史上で最もつまらない偉人であることが発覚した。

驚くほど無感情。まるでロボット。

 

映画がつまらないという意味ではない。むしろ結末がわかっているのに、かなりドキドキさせられた。

 

以下、ネタバレありのレビューです。

 

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『ファースト・マン』のあらすじ

人類が初めて月面着陸に成功したアポロ11号の宇宙飛行士ニール・アームストロングの半生を描いたドラマ。

壮絶な飛行体験や生命にかかわる事故を乗り越えながら、月面着陸という人類初の偉業を成し遂げたその裏では、個の葛藤、家族の支え、飛行士たちの絆、世間の非難。

アームストロングの知られざる真実が描かれる。

 

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大きな目標には大きな犠牲はつき(月)もの。『ファースト・マン』の感想

まず感じたのは、『ファースト・マン』はニール・アームストロングという一人の人物にフォーカスしたストーリー構成であること。この映画は人類が初めて月面着陸に成功したアポロ11号が中心に置かれていない。中心にいるのは人物。いわば飛行士ニール・アームストロングの伝記映画

とはいえ、ドキュメンタリー形式ではない。本人のインタビューもなければ、1969年当時の実際の映像はほとんど使われていない。良い意味で“ハリウッドっぽい”作品だった。その点、歴史的人物のことをもっと深く知れたし、純粋に映画として楽しめた。

 

そして思うのです。ニール・アームストロングがいかに普通の人間であることを。びっくりするくらいフツウの人。歴史上もっともつまらない偉人確定。

「人類初めて月に足跡を残した人=なにもかも異次元な人、変り者、ぶっとんでる人」と勝手に抱いてたイメージがとんだ思い違いであることがわかった。

全く感情がない。ゼロ

感情を(少し)出したのは、映画冒頭で愛娘カレンをがんで亡くしてしまったときくらい。

それ以外はまるでロボットかのようだ。仲間の訃報を知っても、ただ黙り込む。無事地球に帰還して妻ジャネットに再会しても、いうも通りの表情。なかでも印象に残ったのが、息子たちとの別れのシーン。「父さん、月に行くんだ。 なにか質問ある? ・・・・・・ よし、じゃー家族会議終わり」というあっさり具合。(家族関係は良好)

映画『ファースト・マン』は作品はジェームズ・R・ハンセンが記したニール・アームストロングの伝記「ファーストマン」が原作となっている。制作から出版まで何年もかかったそうだが、それは当の本人の口数があまりにも少なく感情を表に出さないからと言われている。私だったら地球の裏側まで自慢するけどな…

 

ところで、なぜこれほどまでニール・アームストロングは無感情な人間なのだろうか?

 

映画をみて思ったのは、彼の脳裏には常に目標犠牲というキーワードがチラついていたこと。

 

親友ともいえる仲間の宇宙飛行士エリオットやエド。作中では様々な人が亡くなってしまう。

愛する人たちが亡くなっていくと、ニール・アームストロングは必ず空に目を向ける。月をみる。そして「これで良いのかな? 俺のやってることってそんな立派か? ここまでして月を目指す価値はあるのか?」と思っていたのでしょう。

 

目標が高ければ高いほど、なにかを犠牲にしないといけない。

 

『ファースト・マン』では「月に行く」という前人未到の大きな目標にともない、多くの仲間が犠牲になってしまった。

 

仲間が亡くなっていくと同時に、ニール・アームストロングは自分自身も見失っていく。

自分を見失っていけば見失うほど、「月に行かないとダメだ!」という気持ちがより一層強くなる。

プレッシャーが高まれば高まるほど、自分が壊れる。そして恐怖を覚え、孤独になる。

 

この映画の音響と視覚効果は素晴らしい。息のつまるような音響や、光と影をうまく使った視覚はニール・アームストロングの恐怖孤独さをたっぷりと表現できたのではないか。

 

月に到達しても、嬉しい表情を一切しない。地球に帰還して妻に再会しても特に何も言わない。

人類で初めて月に足跡を残した偉人は孤独感恐怖に怯え、押しつぶすされそうになっていのだろう。それは、目標に対する犠牲があまりにも大きかったから。

 

目標と犠牲のトレードオフ。これはデイミアン・チャゼル監督の『セッション』や『ラ・ラ・ランド』と共通するテーマである。

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『ファースト・マン』の作品情報(キャスト・監督)

【原題 
First Man

【監督】
デイミアン・チャゼル

【出演】
ライアン・ゴズリング
クレア・フォイ
ジェイソン・クラーク
カイル・チャンドラー
コリー・ストール
キーラン・ハインズ

映画『ファースト・マン』はジェームズ・R・ハンセンが記したニール・アームストロングの伝記「ファーストマン」が原作。

 

ライアン・ゴズリング

アポロ11号の船長ニール・アームストロングを演じたのはライアン・ゴズリング。感情がないアームストロングを演じ切るには相当苦労したであろう。

本作の監督デイミアン・チャゼルとはミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』で共演。

 

クレア・フォイ

ニール・アームストロングの妻ジャネットを演じるのはクレア・フォイ。夫とはある意味真逆の性格で感情をあらわにする。

イギリス王室を題材としたNetflixシリーズ『ザ・クラウン』でエリザベス2世役を演じ、ゴールデン・グローブ賞、全米映画俳優組合賞を受賞、英国アカデミー賞TV部門にノミネートされた。

 

デイミアン・チャゼル監督

監督は『ラ・ラ・ランド』で史上最年少としてアカデミー監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル。同映画の主役ライアン・ゴスリングと再びタッグを組んだ。

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